小説家と家政夫【単行本版(電子限定描き下ろし付)】
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小説家と家政夫【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

梶ヶ谷ミチル

違和感に目を瞑ろうと思ったけどやっぱムリ

ネタバレ
2022年5月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 入院した祖母の代わりに、家政夫として小説家・仙石原の家に来た尚樹。初日に失態をします(先生に興味持つ表現だとは言え心構えが無さすぎで、ここの尚樹は好ましくないけれど挽回するのでヨシ)が、祖母と同じ味付けの料理ができた事から1週間の猶予を貰えます。猶予最終日、仙石原のマッサージに来た男性と仙石原との関係を誤解した所から『自分はゲイだ』と仙石原から告白される尚樹。そして、締切明けで溜まってるからと仙石原に口での奉仕を求められ『お得意様に切られない様、断っちゃいけない』と考えます。この時は、しようとした矢先に逆に自分がされて終わります。雇用関係になくても、使用者と雇われの様な力関係がある中で、大分歳の離れた社会経験乏しい年下(仙石原35・尚樹19。仙石原が年齢聞いてなくても、かなり若いのは分かるやろう)であり、懇意にしている家政婦さんの孫でもある尚樹に、早々に手を出す仙石原に引きました。(祖母は分かってたみたいでこれまた違和感。)しかも、この時、尚樹の事が好きなんだなと思えず、多少興味は持ってそうかなぐらいの印象で、ただの処理や興味の為に尚樹にさせようとした様に思いました。それから、この一連の場面の中で『ヒーヒー言わせてやるよ』というセリフが、3P中2回出てきます。このセリフ自体、この時の尚樹に対して使う事に嫌悪感(好き者のおじさん感がより出て嫌なのかも)がある上に、ボキャブラリーの無さにゲンナリしました。さて、お話は、当初はおかしいと思っていた尚樹も、ちょいちょい手を出されていく内に仙石原を好きになっていって、両思いになって終わります。興味本位から、体の関係から、上下関係から、エロメイン等でも自分もおもしろいと思う話もありますが、こちらはダメでした。尚樹が他に仙石原に魅かれた理由、仙石原の戸惑いや葛藤、尚樹を段々好きになっていってる場面等がもっと克明に描かれている(無いから大人っぽくカッコよく見えて良いのかな)か、最初からそう言う心情を求めないジャンルと思っていれば、違ったかもしれません。後、ほのぼのしている風に見えて、そうでないのも合わないのかも。そして、モヤモヤの極め付けは、おまけです。冒頭に出てきた仙石原のマッサージ師に尚樹もマッサージをしてもらい、寝てしまった尚樹が悪戯をされます。なんで、他の男にちくび舐められる話なんかがおまけなの〜!と気持ち悪く。これが星1つの決定打です。
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