このレビューはネタバレを含みます▼
阿賀先生とyoshi 先生のタッグと言う事で期待し過ぎていたのかもしれないのですが、全編通してしっくりこない感じでした。
yoshi 先生の作画は表紙を含めとにかく美しいのですが、今回のお話の流れと微妙に合っていなくてちぐはぐな印象でした。
お話も、出だしはしっとりとした大人の再会愛だったのに、終盤ホテルの部屋で浅水、櫻庭、浅水の元不倫相手と3人での会話辺りから急にドタバタコメディーのようになってしまい、別れてもあんなにしつこく連絡してきた不倫相手があっさり引いたり、浅水との不倫を気づいているであろう不倫相手の奥さんの感情とか、色々違和感だらけでした。
子供のころから色々な固定観念を植え付けられて言いたい事も言えず育った櫻庭が、お見合いを勧めてくる母親に「付き合っている人がいる」と伝えた時、母親にに「あなたの幸せが一番」と言われただけで(浅水の不倫相手の奥さんと話した事も関係しているのかもしれないですが)今までの考えを覆して浅水に好きだ、綺麗だと伝えてハッピーエンドと言う所もなんだかすっきりしません。
櫻庭が付き合っている人が男だと母親に伝えて、それを認めてもらった上で「あなたの幸せが一番」と言われたならまだしも、お見合いを回避しただけで何も解決していないのでは?と思います。
描きおろしの番外編で浅水と付き合ってから櫻庭は変わった、変わろうとしているお話が描かれていますが、櫻庭は元々外面と要領が良いタイプだったのでそんなに変わったとは思えず、両親に浅水との事を反対されたらまたグラついて浅水を傷つけそうな気がするし・・・
櫻庭が両親と対峙して理解してもらうと言うお話なら続編もアリだと思いますが、好きな作家さんたちの作品だけにちょっと残念でした。