このレビューはネタバレを含みます▼
本作は、考察のし甲斐がある作品なんだろうな。
6/2まで割引。
もう読んでも読んでも謎は深まるし、
何が何だか、頭はこんがるばかり。
ミステリーともホラーともBLとも言い難く、
逆にむしろ、その全てを内包してる作品とも言える。
え、もうどゆことー!?状態w
主人公佳は、ベジタリアンで偏食。
そして、朧げに不思議な記憶が頭をずっと支配している。
何か食べたような記憶。それを避ける為に、肉が食べられない。
大学で手首に包帯をしている品川さんを見かけ、リストカット常習者なのだという噂を知る。
それ以降、彼女が気になって仕方がない。
彼女の包帯の下を想像すると、自分の中にある記憶と結びつきそうでモヤモヤとしてしまう。
この2人が主役でなくて?表紙と違うけど…と思いながら読んでいると、桂の大好きな兄が登場。
……なるほど、兄から始まっちゃったわけね。
いやいや、元を辿れば曽おじいちゃんからの話ー?
何だろう、非現実的なストーリーとは言えど、どんどん自分に近しくなっていく感じで、いつの間にやら引き込まれてしまう。
「好転」発言は、異常だけど、あの衝動にとってはごく自然なことであることは理解できる。それだけ強烈な欲求だろうし、常人に分かるわけがない。
だからこそ、佳は異質で孤独なんだろうな。
そりゃ兄に執愛するわけだわ。
品川さんとの友情が秘密の共有ではあっても、しっかりあったし、悲しいけど品川さんがとても魅力的で良かった。
タイトルは、2つの死なのか2人の死なのか……
はたまた、2度の死か?
現状までの話ではなく、もしや今後の話…?
本作はBLかと言われたら、ん?んんん〜BL未満というか、むしろ続編があるならば、それこそBLなのかも?な感じ。濡れ場があるわけじゃないし、人は選ぶ作品だけど、衝撃を受ける作品ではあるかな。
食べたい欲求と性欲を、わざと少しズラして描いてるところが憎いと言いますか…それで、より複雑になってるけど、ストーリーに深みを出させてるんだろうなと思います。
なのに、BL枠なん?え、じゃ、どゆことー?とまた沼にハマる読者ww
作家さんの他作品は軒並み高評価で、また機会があれば読もうと思います。絵柄もあっさりとして硬めでそこが魅力的な作家さんですね。レビューに感謝です。