このレビューはネタバレを含みます▼
不幸くんはキスするしかない!作家さんデビュー作品か〜
くらいに思っていたが、青天の霹靂…
これを一発目に持ってくる覚悟というか気合いに恐れ入りました。だいぶ痛切ないです。
性の目覚めやアイデンティティの確立への第一歩である、
思春期にゲイを自覚している幸一
それ故に彼が経験したこと、恋を通して見せられるのは、
BLファンタジーのフィクションなどではなく、
現実に今どこかで誰かが経験していることなのではないか……とこちらに迫ってくるような作品です。
すごい問題提起されている気に、勝手になってる。
何だろう…私がたまたまこの作品の周波数と合っただけなのw
重く受け止めてるだけかな…凄く胸に刺さりました。
ゲイバレが非常にリアルで…たまらなかった。
大人になれば、ズケズケと踏み込んでくる輩の対処や流し方などは上手くなるものですが、、
まだまだ人との距離感を探っていて、自分自身、自分の欲求を飼い慣らせないしんどい時期に、
こんな経験をしてしまうことが痛い…痛いです…
幸一の言葉少なな、でも目が、表情の強張りがこちらまで伝わるような作画・コマ割りが素晴らしくて幸一と同じしんどさを体験したように思うほど。
誰にも打ち明けられず、自分をまだ受け入れられない。なのに、他人から否定されるような言動を向けられる……
過ぎて俯瞰で見られるようになって気付くことは……
実は、悪意あって暴こうとする人間は意外と少ないし、そういう人間は淘汰されるということ。
かつての彼らは、流されその場の雰囲気で、興味本位に意図せず悪意を向けてしまっただけ。
自分と同じく弱い。
そして一人一人と話せば、分かり合える可能性があるということ。
幸一は、古賀やまつり、友人との対話や付き合いのなかで、もうそれを知ってる。…凄いなぁ。強い。
諦めて凪では変わらない、覚悟を決めて踏み込まないと進めない。
古賀との再会のお陰で、しっかりと過去に向き合い、自分を受け入れ、前を向けた幸一。
成長ぶりに目頭が熱くなる〜!
書き下ろしは2人らしい可愛いエチ場面でした♡
幸一には、性別がどうのじゃなく、重くて一途な愛をぶつけてくれる古賀が必要だったね。
まつりの強い拒絶の場面、今までの気持ちを考えると、やっぱり救われてほしいなと思うので、まつりverも是非読ませてもらいたいです!
とても、いい作品だと思います。5/31まで割引。