このレビューはネタバレを含みます▼
育った環境で、周囲との価値観(特に「普通」という括り)のギャップに悩む高校生くらいの頃を思い出しました。周りのみんなは幸せで、両親に頼れて、安心できる家があって、心配してくれる家族がいて。困っていたらいつかは助けてくれる誰かがいて。そんな世界では無い人もいる。
このお話の中はとてもリアルでひきこまれました。悲しい連鎖が続きすぎるし、救いの無い生活の中、マリコはシイノを心の拠り所にしつつ、でもよっかからずに支え合ってるような。中盤からマリコの依存が強くなったり、無価値観から自分をぞんざいに扱う様子も描かれ、どんどん引き込まれました。映画を観た後の、ほう、、、とした時間が流れます。観終わったあとも誰とも話さずぼんやりしたくなるような、あの邦画の独特な雰囲気が出てました。
つまりとても素敵な作品でした。