超拗らせジレジレ愛

『それはお前が童貞だからです』『美しい彼』に通じる面白さがありました。『美しい彼』にハマって以来、先生の作品を買い集めていますが、とにかく文章力が高く心の機微を文字に乗せるのがお上手なので、ストーリーに登場人物に惹きつけられます。何というか…先生の書かれる人物は、文章だけで人となりが伝わってきて臨場感があるし、目の前で喋っているような現実味があるんです。あとがきで「キャラクターが自由に動いて、引っ張ってくれる」というような事を仰っていましたが、読んでる方にもキャラクターが生き生きしているのが伝わってきました。８年もの超拗らせジレジレ愛に、本人達以上に読者が焦らされた気がします。特に攻めの「頭は超絶良いくせに、自分の事だけ知能レベルゼロ」みたいに鈍な感じがツボでした。ああいうオレ様タイプで無自覚溺愛系が、盛大に空回ったり自分の気持ちに気づいてドギマギしたりする様子が微笑ましかったです。数々の名ゼリフ？にも笑いました。こちら、番外編がコミックスで出ているそうなので、そちらも読むのが楽しみです。