真綿の檻【マイクロ】
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真綿の檻【マイクロ】

尾崎衣良

優しい世界

ネタバレ
2022年6月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 毒には毒で…というマンガならではのスカッと系です。現実には、プライド高く非常識な毒一家が思いつく限りの卑怯な嫌がらせをしそうなので、関わらないのがいちばん良いかも。
毒親という言葉が広まって久しいですが、毒親は子どもが離婚したら喜ぶって話を聞いたことあります。普通は子どもが大人になって、親を必要としなくなって、幸せでいることを願うはずなのに、いつまでも子どもを所有物と考えているのかな。
この話を読んで、毒親の家族も同じ考え方なんだなあと、なんだか洗脳一家みたいな恐ろしさを感じました。
きっと会社とかご近所の人には普通の仲良い家族と思われていて、でも主人公だけが、スケープゴートとなっていて、今はそこから抜け出せたけれど、実家の人たちと主人公とはどこまでも分かり合えないのかなと、もとは同じ家族なのに寂しいですね。
家族とはなんだろうと考えてしまいました。
家族に限らず、パワハラセクハラなど、一方が我慢することで成り立つ関係は健全ではない、まやかしということかもしれません。
一つ一つのセリフ、登場人物の言動に考えさせられる作品ですが、最後はあっさりしていました。若い人が古い家族に縛られてそれが当然ってのもおかしいですもんね。
縁切りとまではいかず、これくらいの距離感で元家族として接していくのでしょう。
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