このレビューはネタバレを含みます▼
綺麗めでは無い絵と、熱量の低い攻めと受け、それが二人の再生の物語を、よりしっくりとリアルさも感じさせてます。生きる意味なんて、そんな大したものじゃないと、それがずっと飄々と作品の底に流れていて、私はそこが好きでした。
自称陰キャの自宅民、漫画家アシの与一が、死のうとしていた久慈を助けた(拾った)ところから始まります。久慈は、母子家庭で育ち、大学に入ったものの遊び呆けて中退、傷付けた母親に贖罪するつもりが母親が早世してしまい、生きる意味がなくなったと感じています。死ぬ気をかき集め、いざ実行しようとしたら
助けられてしまって、死にたいけどすぐには無理。結局、死にたい寄りのニュートラルな気持ちで、与一の家に居候します。そんな久慈を、与一はゆるく受け止めます。生きたら?とは言うけど、死ぬなとは言わない。久慈は、与一の与える居場所の中で、自分で少しずつ歩き出します。与一が言ったように、まだ死ぬ時でなかったので、出会ったんでしょう。もちろん、BLですのでloveもあり。与一は過去の失恋から心も引きこもりで、途中から小出しに与一の振りが出てきます。どちらも、ソッチ方面は緩かったようで、バイとノンケ、一線越えるのも躊躇いは無しでした。
与一が漫画家の仕事が無くアシスタントをしている事、久慈のバイト先に後継ぎがいない事とか、フラグ回収案件もあったので、続きの話を期待したいです。二人のラブラブと一緒に。