声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~
」のレビュー

声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~

安武わたる

グイグイと引き込まれて読んでしまいます

ネタバレ
2022年6月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 毎日無料がキッカケで読み始めました。両親を失い、借金の形に女郎屋に身売りされる、チヌ(14歳)と姉のサヨリ(17歳)。故郷の島を出る時、『ふたりで帰ってきて、両親の墓を建てよう』と誓った2人でしたが、別々に買われて生き別れになってしまいます。お話は、チヌを主人公に進行します。優しくて、純真で、芯が通っていて、土壇場での度胸があって、頑張り屋なチヌだけれど、騙されたり、失敗したり、嫉妬したり、不安になったりもして、人間味溢れていて魅力的です。又、禿の美緒やお職の巴も好きです。姉のサヨリの動向は暫く伺えませんが、途中で出てきた感じだと、変わっちゃったのかなぁと寂しい気がします。2人が再会しても、心がすれ違うのではないかと、今から気を揉んでいます。そして、まだそこまで読めていませんが、粗筋を読むと、旦那としてお世話をしてくれていた若様とは離れる事になる様子。チヌの行く末はどうなるのかと先が気になります。色々な人間ドラマや当時の社会も描いてくれるこのお話を追いかけながら、チヌの人生を辿っていきたいと思います。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!