消えていく家族の顔 ~現役ヘルパーが描く認知症患者の生活~
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消えていく家族の顔 ~現役ヘルパーが描く認知症患者の生活~

吉田美紀子

BPSDというけど

2022年6月4日
本人に敬意を払いつつ、行為を解釈していくと、こういう病前のあたたかい記憶や輝かしい記憶、それと思いがありつつも、脳の機能障害が本人らしい表出を妨げているんですね。記憶にある小さな娘のことをずっと想いつつも、それが記憶障害や見当識障害によって、母を心配する娘にはBPSDとして大きな負担になってしまう…お母さんと娘さんの気持ちがすれ違ってしまうのがもう切なく、涙なしには読めませんでした。このような作品と出会えて、認知症への理解が深まったように思います。教科書では書かれていない部分であって、実際に業務に当たっていると多忙で見落としてしまう部分。ハッとさせられました。ありがとうございました。
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