その男、アイドルにつき
」のレビュー

その男、アイドルにつき

松崎夏未

アイドルは偶像で本人そのものではないから

ネタバレ
2022年6月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 237ページ。
BLかと言うと微妙なライン、ヒューマンドラマかと言うとそれも微妙なライン、そんな微妙さが良かったです。
アイドルとしての表舞台はほぼ描かれておらず、芸能界ものだというのに華やかさはありません。
坪井と輝樹の「好き」のベクトルは、お互いにお互いの「夢」を重ねて見ているところがあって、矢印の先が本人がいる場所から少しズレてる。だから、二人が出会ったことには意味があるし「夢」と「現実」が交錯した場所に幸せはあったけれど、ずっと二人で一緒には居られない関係性だな、と感じます。
たまに人生の道が重なる時に会って、お互いそれを支えに生きて行く、それでちょうど良いんじゃないかな。
スッキリとはしないけれど、夢や偶像を支えに生きていっても許される、そんな気分になる話でした。
病院での後ろ向きな告白シーンが非常に良かったです。
二人の再会シーンが他の部分に比べて唐突な派手演出(外であんな大声で告白って)で驚いたのはマイナスポイントですが、総合的に好きな作品。
ちょいおまけで星5つ。
八咫烏シリーズのコミカライズを見て漫画演出の良さにひかれてこちらに到達。またオリジナル描いて欲しい。
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