CANIS-Dear Hatter-
」のレビュー

CANIS-Dear Hatter-

ZAKK

目が、手が、喋りかけてくる

2022年6月5日
Mr.Rainの続編です。こちらだけでも何となくお話は分かりますが、やはりセットが必須だと思います。なので未読の方はぜひRainから読まれて下さいね。
Rainのレビューでも書いたのですが、目線や手の動きがキャラクターの感情を物語る絵で心を揺さぶられます。
前作と同じく、主人公は帽子職人の沓名とリョウ。前作よりもお互いの感情を掘り下げる内容で、それぞれの葛藤が苦しいほど読み手に伝わってきます。
直接的な触れ合うシーンが少ないどころか、正直お互いの気持ちも曖昧、決定的なBL感はないままお話が進んでいくのに、自分でもびっくりするほど話に引き込まれました。画の力が凄まじく、目でキャラクターが喋っているんですよね。そこに過去エピソードや伏線が交錯しながらコマ割りに入ってくるので、物語の吸引力が弱いわけがないんですが。
そもそも帽子職人と謎の美青年というワクワク要素に心を掴まれているのに、この二人の関係どうなるんだろう?とドキドキしながらページを捲りました。
沓名さんとリョウくん、どちらもカッコよく色気のあるキャラクターです。そしてすごく人間的、男性的。
どちらも魅力的で好きなキャラクターですが、リョウの存在が尊くて…もう好きしかない。
読まれた方は皆さん心を掴まれるであろうポスターのシーン、全員射抜かれると思います。
お話が良すぎて、え!?もう終わり!?と物足りなく思ったほど。もっともっと二人の日常を読んでいたい。
いわゆるCPがどうだとか、イチャラブ甘々で、とかいうような作品ではないので、そういったものを読みたいときは向きません。BLですがヒューマン系寄りな印象。かといって重たくはないです。
小洒落ていて、心理描写が丁寧で、それを伝える画力もあって…ストーリー重視の方におすすめです。
この次はSpeaker…シリアス系得意じゃないからと先送りしていましたが、CANISシリーズが好きすぎるので読みます!
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