親友交歓
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親友交歓

太宰治

どこにでもいる嫌な奴の、秀逸な描写

ネタバレ
2022年6月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ いきなり訪ねてきた失礼な同窓生をこき下ろす話。
太宰治の作品の中ではあまりメジャーではないが、強烈に印象に残った作品である。今も昔も嫌な奴の性質は共通しているのだなあと思うと同時に、こんな短編にその性質を全部乗せできる筆者の天才ぶりを実感する。
同窓生の言動を自ら断罪せず、描写のみして読者に判断を委ねようとするところなど、相当の怒りとこだわり、性格の悪さを感じる。
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