このレビューはネタバレを含みます▼
世界観が独特で、論点のすり替えや、屁理屈で相手をやり込めるシーンが多く、キャラは立っていますが、共感は出来ませんでした。
主人公の設定も、幼少時に母親を惨殺され、その事で怒りや憎しみを抱えるのなら理解出来ますが、自分を責めて奴隷の様に生きていくのでは、全く魅力を感じません。
基本的に、出て来る大人の大半はクズで、主人公達はドM。手足を潰されて殺されかけた、大量虐殺の殺人鬼を仲間にすると言われ、主人公は僕が弱いからと謝り、蜥蜴は気にしないと賛成。唯一、反対したヒロインに「過去に魔女が犯した罪を考えなくてはならない」「私も無関係な人を殺しましたが、殺しますか?」と、最早、難癖。他人の犯した罪で襲われていたら堪らないし、開き直るクズのセリフに至っては、侮蔑以外の感情は湧きませんでした。
魔法使いと一般人が共存する為の大事な村という設定ですが、魔法使いは一般人の信用を得る為に小間使いとして働き、その護衛に一般人を大量虐殺した人間を雇うとか、支離滅裂です(苦笑)
主人公がすべき事は、魔法の勉強ではなくメンタルケア。トラウマを治療し、自虐史観を直さなければ、どれ程の大魔法使いになったとしても、他人の理屈で動かされるだけの人形です。
相手側は殺しに来るが、こちらは悪く思われると困るので殺せない。相手は単純だから、殺さずに撃退して、魔法で治療すれば味方になる?斬新な作品です。