このレビューはネタバレを含みます▼
いや〜、よかった。おっきい受けを好きになる傾向にあるので褐色は受け派なのですが、サイードさんが作者さんの絵柄にとてもあっていて大変色っぽく、それだけで満足感がありました。
試し読みからは想像できないくらいの純愛さで、エチは2巻後半になってようやくというかんじです。
でもそこに至るまでのもだもだがとにかくよかった。
母の死と引き換えに産まれたことに対する償いとばかりに奉仕することで生きてきたサイードと、男に縋って生きている母親の情事をみてしまいトラウマ持ちになったつばめ。その母親像の対比と、誰にも見せたことのない心の奥底に踏み込んでいく描写が好きでした。
トラウマ持ちのつばめくんが元ヤンということもあってかいざという時に男前なのも読んでいて清々しかったです。
ひとつ心残りがあるとするなら、つばめの母親が現在に至るまで息子にトラウマ植え付けたことに対してまったく悪びれてる様子がなかったことと、今の旦那が置いていったスナックにふたりが行ったのかどうかはっきりしていないこと、ですかね……。
当時の母親にセーラー服着せて事に及んでいた男が旦那になってて驚きましたが、それ以上にその旦那の方が意外にもまともそうなことにさらに驚きました(笑)
サブカプのその後も気になりますね〜。
全体を通して読んでみて、前半は展開的に無理矢理な部分というか粗が目立ちますが(全面窓張りの丸見え部屋で事に及んでいるサブカプの部分だとか…笑)、テンポがよく後半は夢中になって読んでいました。
なにより主要登場人物のキャラデザと設定が大変魅力的なので、スピンオフ等あれば是非読んでみたいです。
あとはつばめの元恋人こと盗人クソニートに天誅がくだることを願うばかりです。