藤原征爾君追悼特集に寄せて
」のレビュー

藤原征爾君追悼特集に寄せて

吉池マスコ

タイトルのインパクト。

ネタバレ
2022年6月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 感想がまとまらないので、思ったこと独り言スタイルで失礼します。(?)
タイトルの最初の印象と少し違って、薔田先生と藤原先生のひっそりと、でも穏やかな未来が想像できるやりとりがしっかり描かれていて驚きました。
藤原先生は何か予感していたのかな…。
薔田先生が筆を再び取るキッカケがどんなものであれ、新たな文章を読める事を何より、誰より望んだのは藤原先生だと思った。
それを待ちわびる優しい視線がずっとストーリーを包んでる気がしました。
宮本さんの作品への愛も薔田先生への恋も罪悪感も包み込む、穏やかなその視線が胸を締め付けます。
悲しいのに終始温かかった。
マスコ先生の描く人間はいつも誰かを想って前を向いている気がします。表情から読み取れるものの多さに心が揺さぶられる。
笑いたっぷりの作品も大好きですが、こういう情感溢れるお話も素晴らしい。
タイトル見てずっと気になっていた作品ですが、最後まで読んで、タイトル見てまた泣いてしまうとは思いませんでした。
皮肉だなって思いながらこれ以上のタイトルもない。このセンス痺れます。
どっぷりマスコ先生沼です。
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