「普通」って何だろうと考えさせられた

先生の作品はまだ『交渉人シリーズ』しか読んでいなくてそのイメージが強かったのですが、全くテイストの違う内容で驚きました。内容もページ数も大満足な量でした。途中のすれ違いシーンの描写が素晴らしかったです。恋愛ドラマにありがちな（単なる基本コンテンツ的な）軽いものではなくて、思い込み・思い違いが招いた重度の行き違いで、修復できるのか不安になるレベルでした。読みながら「いい年した大人が何やってんだ」「素直になれよ」と、自分も彼らよりいい歳して口汚く罵ってしまいました。入り込み過ぎて途中切なくて泣いたりもしたし、引き込まれる作品でした。「普通」って何だろう？と考えさせられましたし、誰にでも通用する「普通」は、無いのかもしれないと思いました。