この夜のすべて
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この夜のすべて

ミナヅキアキラ

めちゃくちゃ好き!!!

ネタバレ
2022年6月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●近作が好きな作者さん。昔の作品を読んでみたくなり、本作が『今夜は〜』に続いて2作目。この2作品を拝読し、旧作片っ端から読ませていただきます!!と改めて心に決めました。本作めちゃくちゃ好きです。
●大物政治家?の私設警護隊という名文の実質何でも屋「士旗の会」。そこに拾われて10年、暗殺なども請け負う七青(これでナナオと読ませるのも好き)と、新入りの葵。相方として組むことになりますが、この“相方”にも意味があったことが後半分かります。この、後から後から真相が明らかになっていく物語の構成も秀逸でした。サスペンス風味もあり、白黒パキッとした絵柄とぴったり。
●二人が組んで3年、ずっとある覚悟を胸に秘めている葵。一方の七青は、疑念→興味→好意と葵への感情を変えていく。本当は人を殺すことなどできない葵に手を下させないように、七青が先回りする。七青から葵への感情を“好意”と書きましたが、そんな簡単に表現できるものでもないのです。七青にとっては宝物のような、決して穢したくない大切なものになっている。
●葵は一人であろうとしているから、七青の“好意”は感じない。でもそれに気付き、その瞬間人を殺し…塗り固めていたものが崩れます。次々と語られる真相。葵が見せる涙。そして七青の行動。孤独だった二人が「二人きり」になる。…詳しく書くと勿体ないので是非読んで下さい!!二人がどうか幸せに生きますように。
●表紙だけだとサラリーマンっぽいので、せめて帯刀させてほしかったかも。また、1話だけ椎名の雰囲気(髪型)が全然違うんですが、きっとお偉いさんの前でだけ整えてたんだなって勝手に思ってます(笑)
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