神さま、どうか手をとって
」のレビュー

神さま、どうか手をとって

ハルモト紺

壮大な中世オメガバース

ネタバレ
2022年6月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ お初の作家さんです。
300ページを超える大バリュームでしたが一気に読み終えました。
中世のヨーロッパのような時代背景で、Ωがまだ世間では人を惑わせる魔女と呼ばれ、虐げられている世界観のオメガバースもの。
好色家の父を持つレオン×父に買われた魔女・ノエ。
女中の間で噂されていた父親が買い出したという犬が気になり見に行くと妙な香りに囚われ、そこでノエを組み敷く父親を目撃。
魔女だとわかってからもなぜか通い続け愛しい存在へと変化を遂げます。
ノエも、レオンから優しくされ、守ると誓われて、辛いこともレオンの為に耐えようとします。
オメガバースものなので予想はしていましたがノエの生い立ちもなかなかに辛い過去があり、再開を願っていた父親でさえも自分のせいで処刑されてしまったとわかり可哀想でした。神様から嫌われていると言った言葉も、ノエの生い立ちを考えるとわかるなぁ。
現代よりも時代設定が昔なのも、異端なものを受け入れない風潮がしんどかったです。本当にこの時代のオメガはどうやって生きてたんだろう。教会に行っても司祭に弄ばれるし、ノエのように金持ちのおもちゃにされたりしてしか生きれなかったのかな。
レオンの義理の弟が想像より良い人で、というか全然悪い人じゃなかったので幸せになってもらいたいですね。
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