愛の間に間に
」のレビュー

愛の間に間に

菅辺吾郎

縺れた糸をスッと引くようなラストの爽快さ

ネタバレ
2022年6月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 春の夜、橋の欄干の外に立つ男を通りがかった椎葉晴は抱き止めます。男はあっさりと橋の内側に引き返し、ちょうど来たタクシーに乗って去りますが鞄を忘れており、ハルがそれを届けるべく後を追うところからお話が始まります。配達員のハルは、助けた男•宝条十四郎の妻の間男で、ハルは最初からそれに気付いていました。そのハルに、十四郎は一目惚れをしたと言ってきます。専務の娘と結婚し、生活のあらゆる面で下克上が染み付いているじゅっしーと、セレブ夫婦の間に入って壊してやろうと目論むハルとのお付き合いが始まります。器用に世間を渡るじゅっしーのハルへの恋の不器用さ、表面は偽悪的に振る舞いながらじゅっしーとの恋に焦がれるハル、浮気を繰り返すことでしか夫の愛を感じられ無いじゅっしーの妻、間に誰かを挟んでの恋の幸せなんて無いのだと3人は知ることになります。コメディ要素もふんだんにありながら、ちょっと切なくて痛い恋とお話は、スッキリとたラストを迎えます。ハルの職場の先輩がとっても良い人でした。
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