神様のウロコ
」のレビュー

神様のウロコ

日ノ原巡

美しい絵柄で綴られる人外BL

ネタバレ
2022年6月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 小説家の泉妻智治は田舎にある亡き祖母の家に引っ越して来た日に、駅で鱗と名乗る白い髪をした不思議な青年に出逢います。さらに智治は家の裏山で凶暴な猪の群れと遭遇するのですが、そこに鱗が現れて、白い鱗、白い鬣の龍人と化して智治を助けてくれます。次に気がつくと智治は家で寝ており、隣に住む百合姉、司、幸太の姉弟と共に何故か鱗もいて、今日から智治の家で厄介になりますと笑顔で自己紹介するのでした。裏山の泉に棲む龍である鱗は、この地を治める水の神であり、智治の祖母との約束で智治を妻に迎えに来たと言います。寝耳に水の智治は全力で拒否しますが、鱗は神様らしいおっとりとした自己中心さで聞く耳を持ちません。それでも鱗は智治の心を掴もうと、それはもう一生懸命に慣れない人間の姿で頑張ります。いつもちょっとズレた方向に頑張ってしまう鱗の健気さがほんのり切なくて、でもどこまでもポジティブな鱗の片想いがだんだんと智治に届いてゆきます。神様と人間、色んな違いを乗り越えて結ばれる二人の楽しいラブコメです。
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