このレビューはネタバレを含みます▼
遠野新が働く小さな港町の小さな会社にキラッキラなイケメンイギリス紳士•ルイス•カーターがやって来ます。大手IT企業のSEだったというルイスは、上司を名前で呼び、アニメの時間だからと飲み会を途中退席し、サブカル好きもゲイも公言して憚りません。そんなルイスは、かつてこの田舎町に来たことがあり、その思い出に惹かれてこの地に移住して来たと言うのでした。ルイスと新との最初の出逢いこそ偶然ですが、そこからはルイスの静かなる押しの一手で進んでゆきます。ルイスのスマートなイケメンっぷりに新が流されてゆくのは正義で、本来の新はそんなにちょろいタイプではないのでしょう(たぶん)夏の海に照り返す光の中での出逢い、雪降る夜の波止場での抱擁などはエモくて、大変ロマンティックでした。ロマンスに程遠かった小松さんを始め、コンビニおにぎりや聖地巡礼のエピソードも無駄無く配置されていて楽しく読めました。