このレビューはネタバレを含みます▼
【読み放題】で読んでから、大好きになったシリーズです。まず『微熱の果実』でチラッと出てきたセルゲイ×店長の話が読めると思っていなかったので、そこはすごく感謝していますし、嬉しいです。更に秀穂×姫さん・将嗣×千晶カプ以上に、重い・深い・厚い(どう表現していいか分からない)バタキスの世界観にハマりました。原作者が小説家の先生だからでしょうか?今回はそれがプラスになったと思います。小説の一行一行にイラストが付いたような…そんな臨場感がありました。小説の行間を読むという作業を絵が効果的に助けてくれている気がします。少しネタバレして、私がベストシーンだと思う展開を紹介します。【2巻のP38】ハッキリしない関係を持ちつつも店長を自分のものにしたいセルゲイが「ボクのものになってくれないくせに」と言うと、店長は「でも、あなたもう わたしのものでしょう?」と。このページのこの台詞、この破壊力にやられてしまいました。こういうのをパラドックスと言うのだと思います。「あなたは私のものではない。けど、私があなたのものだから、あなたも私のもの」?…のような。ここぞの場面でこれ以上ない名台詞、神展開だと思いました。まだ一周めなのでここまでしか読み込めていませんが、二周三周するともっと色々な気付きがあると思います。読むほどに深みを増していく大好きな作品です。