花降るふたり【電子限定おまけ付き】
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花降るふたり【電子限定おまけ付き】

ここのつヒロ

愛する人は自分の幻影を愛している

ネタバレ
2022年6月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ このお話自体が小説的だと思いました。3話で兄が小説家だと告げたときに受けにもう全て告白したようなものなのですが、身近な人間が自分にないものを持っていることの焦燥や鬱屈がわかるなーと思いました。兄がミステリー作家になったのは弟をおもんばかってのことなのかな。でも気づく人は気づくと思うので兄弟であることは世間に知られないほうがいいのでしょう。母親がアッケラカンとしていてノンキなのが読んでいてちょっとざわっとします。いいことにしても悪いことにしても兄弟を比べるみたいなことって何気にでもよくないことだなと思いました。やりがちですが...。BL面より攻めの背景に気持ちが全フリしちゃいました。兄の小説の部分がとても美しくて、これは当時の自分がかけた言葉を悔いてるのかな、全然悪い言葉ではなかったのですが、弟の苦しさを理解できてなかったことを今はわかっているのだと思います。この先会えても会えなくても、気持ちが伝わっていたらいいんじゃないかな。苦しいときに手を差し伸べてあげれば、それで十分なのではと思うのです。
2019年5月 総169ページ おまけペーパー1p 電子限定特典1p 修正はトーン、ホタル、白モヤ、白抜き、ハート(♡)。
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