花と墨
」のレビュー

花と墨

国谷キノ

後半が良かった

ネタバレ
2022年6月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 幼なじみの華道家 皓樹(こうき 攻)と書道家 英純(えいじゅん 受)。英純は皓樹に対して自分が友情以上の気持ちを持っていることに気付いて以来、7年間も皓樹と距離を置いている。
そこから英純にお見合い話が来たことが切欠になり、二人の交友が復活し恋人に。ここら辺の流れがけっこう強引で急ぎ足なので、イマイチかなあと思ったのですが、恋人になった後の流れがすごく良かったです。
間男として皓樹にまつわりつく青年が出て来ますが、持ち前の鈍感さで全く相手にしない皓樹。清々しいです。しかし間男により二人のゲイ疑惑がSNSに投稿され、騒動に。英純は引きこもり、皓樹との連絡も絶ってしまいますが、その間も皓樹は二人で生きて行くための場所を準備していました。静かに暮らしながら二人で胸を張って生きて行くことを決意する英純。
片思いの最中にフラフラ他の男と付き合ったり、二人で住む家を用意してくれた皓樹を拒否して仲をこじれさせたりなどのうっとうしい行動を取らない英純に好感が持てました。
また、皓樹の友人である熊谷の妹がレズビアンなのですが、非常に堂々としており、熊谷ともども好人物として印象に残りました。
前半の流れは強引でしたが、作者さんは後半のゲイとして、レズビアンとして生きて行く覚悟みたいなものを描きたかったのではないかと思いました。
ついでですが、熊谷の妹の瞳香(ひとか)というネーミングセンスに脱帽。小中学校の名簿にありそうなちょうどいい痛々しさでしたw
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