メロンの味
」のレビュー

メロンの味

絵津鼓

泣けるし温かい

ネタバレ
2022年6月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 重いテーマではありますが登場人物のお陰でそこまで暗くならずに読めるのですが、鬱傾向のある人は引っ張られてしまう感覚があるかもしれません。なぜならその描写がとてつもなく理解できるというか、まさにそういう感じなので、ああ本当にこうだなと思うシーンが何度かあるからです。ある程度客観的に自分を捉えられる時期なら読んで大丈夫だと思います。
以下感情的な感想です。
すべては最後に木内さんが中城くんを抱きしめながら言った言葉に込められていたと思いました。木内さんがゆるやかに救われていく姿に泣きながら読みました。ふたりともが愛おしい。さまざまなものにとらわれない愛の物語だった。
木内さんが最初に中城くんが良いと言ったのは、中城くんが自分の本当のことを知らなかったからだというのもあるとは思うけど、中城くんと出会って人となりを知る中でこの人ならという感覚もあったんじゃないかと思う。だって鬱なら自分を傷つけるかもしれない人には近付けないから。
救われてくれたのなら本当によかった。本当によかった。読めてよかった。この本に出会えたよかった。また何度も読み返す素晴らしい作品に出会えてよかった。生み出してくれてありがとうございます。
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