望まれぬ花嫁は一途に皇太子を愛す《フルカラー》(分冊版)
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望まれぬ花嫁は一途に皇太子を愛す《フルカラー》(分冊版)

紡木すあ/古池マヤ

皇太子無能

ネタバレ
2022年6月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵とタイトルから試し読み、現在7話まで購入。

絵柄の可愛さとフルカラーの淡い色使いが儚げな雰囲気があって良いのですが、ストーリーは救いがない。

何よりも皇子が、国民を思い正義感の強い優れた統治者として才覚を発揮してるようで、実の所ガチ無能。
皇妃とその親族の傀儡政治になることを危険視し、裏で色々手を打とうと努力をしてはいるようだが、結局いいように踊らされている。
側近が皇太子の為と、勝手なことをしているのも気付かない。

つか先ず、敵国のそれも不穏な噂しかない姫を形だけでも受け入れたのなら、監視の目を置くよね。
外交にいらぬ問題を生じさせないよう護衛もつける。

何も与えず何もさせないのはある意味正解だけど、一国の姫なおかつあれ程の美しさなら近付く輩が居てもおかしくないんだから、噂話を真に受けるだけじゃなくちゃんと直属の部下に目を光らせろよ。

そして庭で何度も会ってるなら、質素で地味なドレスに高価な貴金属を何も付けていないことに気付かないのも、節穴。
皇族で継承順位1位の最も高貴な立場の人間が審美眼も養われてないとかお笑い草。

まぁそこら辺は設定上わざとなんだろうけど。
それにしたって倫理観は普通の人に近く、非道なことには眉をひそめ民の生活に目を向け、貴族や諸外国との繋がりも大事にしてる割には、何も見えてない。

それこそ初恋の少女を最後にしか助けてあげられない皇太子の業としてわざと描いてるのかもしれないが。

あとは姫も、凄惨な日々を送ってきたことと生来の善人な心が最悪に噛み合ってるのがなんとも。
健気さに防衛反応も働いて、欲を出しては駄目だと自分自身を大切にできず、皇太子妃としての立場も疎かにしてる。

侍女のことを大事に思ってるならしっかり周りの意見も聞いて生活を改善しようと思わなきゃ。
自虐思考は破滅しかないよ。

原作のネタバレを見ちゃったので、これからもっと悲劇が姫の身に降りかかり、雑な手のひら返しの茶番劇に、何のスッキリもない鬱なハッピーエンドを覚悟して、気が向く限りは配信を待とうと思います。
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