たまゆらの日日
」のレビュー

たまゆらの日日

波真田かもめ

淡々と穏やかな…

ネタバレ
2022年6月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●気になっていた作者さん。代表作は私には巻数が多くて、1巻完結ものを手に取ってみました。この淡々と穏やかに時間と感情が流れる雰囲気は、作者さんの特徴でしょうか…?カバーの折り返しを見ると、特に本作ではそれを狙ったのかな。
●さらっと読み終わってしまい、再度読み直しましたが、やっぱりひたすら淡々としてる。モノローグが多いからかな?でも会話も淡々としてる…。過去からの二人と家族の関係は丁寧に描かれていて、積み重ねてきた時間は宝物のように思え、そこにはすごく心を寄せることができました。
●泉水との関係をどうしようか悩んできた充が、最後にストンと落ちるのはかなりあっさり。充には“泉水の幸せ”が一番大事で、「それなら!」と泉水に押された形でえっちまで。泉水のあふれる熱は感じられたけど、やっぱりなんか淡々としてるんだよなぁ…
●充が心(身体も)を許して相談事までしている郡司がデリボーイでお金も払ってるっていうのがちょっと「??」でした。しかも泉水の理解者にまでなるとは…。それくらいドライな関係が良かったのかなぁ…ここもさらっとしてました。
●家族愛だったものがその範疇で収まらなくなる激情…みたいなのも見たかったな。でも、突然日常を奪われる悲しみを知っている二人にとって、淡々と穏やかな日々がとても大切だということは確かなので、こういう表現が最適だったのかもしれません。
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