G線上の猫3
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G線上の猫3

宮城とおこ

良かった!

ネタバレ
2022年6月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●全3巻の完結編。続きものなので1、2巻必読です。
●佐紀が篤志に理也の過去を語ってくれる。幼い頃の理也は、どこへ行っちゃったのかな…あの子が成長した姿が黒なんだろうか?だから黒は「自分が本物」ってことにこだわったのかなぁ…などと思ったり。
●一方の白。そっかぁ…篤志を避けて香坂を頼るんだ…なんだかんだで心寄せてる。憧れだったのか、父性を求めていたのか。香坂も、本当はすごく愛情深いんだけどな…表現さえ間違ってなければ。救済欲しいなって思ったくらい!(1巻のあのとき、やっぱり抱いてなかったみたい。)(今さらですが、篤志より歳下っていうのがなんかイイ…)
●香坂に酷くされて、白が引っ込んでしまったのはなんでだろ。最初に黒が自分の指を傷付けていたけど、白は自分では父親に立ち向かえなくて、黒に逃げてたのかもしれない。香坂に父親を重ねたこのときも。
●白の存在が感じられなくなって一人を恐れる黒が、篤志に抱いてとせがむ様子にはやや違和感。それほど形に見えるものが欲しかった?心だけでは足りなかった?そのことで二人は何回もぶつかるけど、最後には理也が「好き」って言葉を何度も篤志に伝えてからしたのが良かった。
●黒に少しずつ白の要素が加わって、そのまま一人の理也になるのか…と思いきや、ラストは黒が白に融和する形でひとつになります。それが理也自身が選んだ生き方なのでしょうね。幼い頃の自分も昇華して、未来へ向かう姿を見せてくれる。うん、うん、心が満たされて良かったね。
●篤志はコネ入社かよ?!というのはちょっとツッコみたい…。理也付きのマネージャーというわけでもなさそうだし、普通にサラリーマンでよかったのでは…
●全3巻、ふわっと煙に巻かれた部分もなくはないですが、エンディングまで見届けられて良かったです。『遠い日の蝶』も拝読します!
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