遠い日の蝶
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遠い日の蝶

宮城とおこ

素敵なラブレター

ネタバレ
2022年6月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●『G線上の猫』の番外編『真夏の距離』23Pと、スピンオフ(表題作)。前作未読でも、表題作はなんとか大丈夫、『真夏の〜』も読めないことはないと思います。あとがきによると『真夏の〜』は『G線〜』に入れたかったとのことですが、表題作の中に理也と篤志について記述があるので、むしろ本作に掲載されててよかったのでは?と思ったりします(これがないと理也と篤志のことが全く分からない)。
●前置き長くなりました…『真夏の〜』はやっぱり前作を読んでると嬉しさひとしお。二人がいちゃいちゃしてるのもいいし、ちょっと意地悪な篤志もいいし、何より理也が全人格を足したような雰囲気を纏ってるのが良かったです!
●表題作。理也の従兄弟で前作では見守り役だった佐紀のお話。不器用な二人のすれ違い。あらすじに「学生時代に付き合っていた男」とありますが、それは違うのでは…?(そうじゃないから拗れてる。)
●ノリで始めてしまったから、踏み込めない。そのうえアーヴィンが昔の恋人の手紙をずっと持ってるのを見つけてしまい…佐紀は意地になって、逆に遊びの関係に徹しようとしてしまったんですね。アーヴィンの方も、そんな佐紀の態度を額面どおりに受け取ってしまって、キツい言葉で別れてしまう。お互いひとこと「好きだ」って伝えていればよかったのにね…もしかしたらはっきりとした自覚もなかったのかもしれないけど。
●昔交わした旋律を、譜面に起こして持っていたアーヴィン。それを弾いて答えた佐紀。それで通じ合うの、素敵だ〜。28Pの後日譚、佐紀は無自覚小悪魔だしアーヴィンはムッツリ溺愛だし最高!6Pの描き下ろしでも、溺愛ぶり発揮してました。
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