君の夜に触れる
」のレビュー

君の夜に触れる

もりもより

小さな佳澄の清らかで大きな包容力

ネタバレ
2022年6月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 8/26に最終話読んで、たまらず追記しました。
6月に試し読み後、4話まで即購入し、何回も読み返しています。
始まりから、主人公たちに何かよからぬことが起こるのではないかという不安に引っぱられ、ハラハラしながら読み進めました。
雨の匂い、土の匂い、血の臭い、雨の音、蛙の声、佳澄の柔らかな微笑み、指先に触れる肌の感触、互いの唇の感触…。
視力を失った佳澄の、内側から発光するような純粋さ・千夏を包み込む柔らかな優しさ、そして強さ。
五年前、兄を失ってからずっと闇に囚われていた千夏が、佳澄という光る存在に触れ、前向きに生きていこうとする。
千夏といることで、閉塞され孤独だった世界が広がっていく佳澄。
お互いを守り思いやり、互いの暗闇の中から連れ出してくれる存在になり、愛しい存在へとなっていく。。。
こんなに健気な2人の幸せを願わずにおれません!
(※ここから追記)優しい優しい作品でした。最終話、読み進めていくうちに涙がじんわりと。。。
本当に、純文学を読んでいるようでした。大好きです。紙媒体でも欲しいです。
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