5人の王シリーズ
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5人の王シリーズ

恵庭/絵歩

いやもうしんどい

ネタバレ
2022年6月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ コミックスを読み、続きがどうしても気になってこちらも買いました。
長編のBL小説を読むのが初めてだったことを差し引いても、とにかく読みづらくて理解に苦労した場面がいくつもありました。
ストーリー上時間移動があるのですが、場面が急に変わるパターンが多かったのでよくわからず数ページ行ってはまた戻って読み返す、を何度も繰り返しました。私の理解力が足りない部分もあるとは思うのですが、同様のレビューも見受けられるので、私だけじゃなくて少し安心しました。

お話は、BLというよりは架空の中世の都市・シェブロンの5人の王についてのファンタジーです。主人公・セージ(緑の王)が大切だった妹を失い、絶望の最中で自国の民を守ろうと試行錯誤していくストーリー。
それと同時に青の王・アージェントとの恋を描いています。
CPとしてはアージェント×セージ。ですが、本当に恋愛どころではないくらいに周囲の状況が目まぐるしく変わり、選択を常に突きつけられます。
作者様があとがきで、攻めも受けも不憫が好き、と書かれていたのも納得のしんどい内容の(←褒めてます)お話でした。
時代背景や王という立場があっても、好きな人や好きだった人に、自分とは別の女がいる描写がありそれがまずしんどいです。ギルに子供ができたことを祝うシーンにまずショックを受けましたし、ルリが身籠ったことは本当に衝撃でしんどかったです。アージェントがそこまでしなきゃ行けなかったのか。でもアージェントなら、エールの願いためにルリを抱くことなんて容易かったのかな。でもしんどい。
そして、緑の王が統治する西方での暴動の描写もまたしんどかったです。憎しみが憎しみを呼び、殺って殺りかえして、まさに地獄絵図。
人が死に、自分も愛する人も命を失いそうになるのは辛かったです。
そして、アージェントがなかなか素直に愛を囁いてくれないのもしんどい!これでもかというくらいにどん底に投げ捨てられるのに、たまに言うセリフがどうしても期待してしまうようなこと言うんですよ!!
決して甘くない情事でも肌を合わせると嬉しくて仕方ないのに、またどん底に突き落とされしんどい思いをするんです。
最終章のアージェントが、別人のように甘くてそれにもまた涙してしまいました。
外伝は未読です。本編がしんどかったので、少し気持ちが落ち着いてからまた読みたいと思います。
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