このレビューはネタバレを含みます▼
愛が重い執着攻めと言えば左藤先生!ということで、作者さん買いです。両親の再婚で義兄弟となった弟の浬×兄の千歳のお話で、表題作のみ全5話+描き下ろしで合計205ページ。ほんのり仄暗いダークさがあって、明らかに二人の関係や執着は異常で異質なんですが、ゾワゾワし過ぎない絶妙なラインをいってます。傍から見れば異常だし、幼少期からの刷り込みとかに近いものがあるような感じなんですが、多分本人達が幸せそうだからなのかな。一見すると弟の浬の方が異常なほどの執着攻めに見えるんですが、兄の千歳の方も浬を弟としてしか見たことがないと言いつつ往来で手を繋いだり、要は千歳の方も依存してるんですよね。大人になっても一緒に寝ることを全く不思議に思わず、なんなら同衾したいと言う浬をかわいいなぁと思ってしまう思考回路。そこに至るまで長年掛けて囲ってきたのは浬の執着だけど、はたして千歳はただマインドコントロールされてきただけなのか?そしてその毒(浬にとっては愛情)が廻る頃にはもう既に時遅し…。その辺りのアンバランスさがとても危うくて面白いです。