キミドリ
」のレビュー

キミドリ

仁嶋中道

「きみどり」を、最後に回収してほしい

ネタバレ
2022年7月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「愛追うふたり」がとても良かったので、他の作品も読みたいと思ってました。仁嶋先生の作品には、生きている命を繋ぐ、陽のあたる救いがある、ところで、BLだけでない心地よい良さがあります。「キミドリ」はタイトルも意味深いんですが、黄緑の瞳に心奪われた菖真と黄緑の瞳を持つ瑛が、瑛の苦しみを解放する物語です。写真が大好きな菖真が、瑛の黄緑の瞳を写真に撮りたいと瑛に頼みますが、瑛にとってそれは地雷で、当然拒否されます。それでも明るくポジティブな菖真は、瑛に入り込んで、瑛の抱えているもの、のっぺらぼうの絵の真実を知ります。瑛の抱えてるものはいわゆるBLあるある的なものではなく、そしてかなりヘビーです。そこから、菖真が明るい方へ引っ張っていくようで、爽やかな読後感です。惜しむらくは、描き分けがわかりにくい場面があったところ。ストーリーの基本のところに、しっかりした幹を持っていらっしゃると思う作家さん、今描かれてる作品も楽しみにしてます。
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