嫌いな男
」のレビュー

嫌いな男

安西リカ/北沢きょう

タイトルからして秀逸

ネタバレ
2022年7月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ コミックスで読んだ『隣の嘘つき』もそうですが、先生の作品はタイトルが秀逸だなと、いつも思います。今回も直接的なもの言いに惹かれて読んでみました。学生時代の友人の話と向居に対する優越感を絡めた描写が素晴らしく、自分が見下していた女子と同じ事をしていると気づいた時の南の感情の振れ幅を思うと、可哀想なくらいでした。それから退職を決意した時の向居が南に言い放ったセリフにも興奮しました。散々罵りながらも(一般的に好意を持つ人に言う言葉ではない)でもそこが好きなんて…しかも本人にぶっちゃけるとか、矛盾してるしテンパってるなぁと思ってしまいました。そういう混沌とした思いとか、自分のものなのにままならいもどかしさみたいな感情とかが伝わってきて良かったです。欲を言えば、ラスト伊崎の幸せ(予感でもいい)が見たかったです。
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