森山寮で花が咲く
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森山寮で花が咲く

猫野まりこ

オンボロ寮で見つけた最高の幸せ

ネタバレ
2022年7月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 真面目で堅物でいい意味で周りに流されない少々陰キャな松原。
そんな松原が苦手としてるのは30代で課長補佐で都会オーラが溢れる綺麗でイケメンな先輩苅谷さん。
松原もイケメンで女性から告白されることもあるけど何となく苦手でぼっちが落ち着く残念なイケメン。
だけど困ってる人を放って置けない性格で会社に遅刻もしばしば。
そんな松原の教育係の苅谷は最初は適当にやり過ごすはずだったけどあまりに純粋で真面目な松原を放って置けなくて冗談でキスしたり仕事でもフォローして松原を構います。
苅谷も松原と同じ田舎出身で懐かしさや松原の誠実さに惹かれていきます。
松原が住んでるオンボロ寮が取り壊されるのを知っていた苅谷はノンケの松原と恋人になれなくてもせめて松原らしくいられる場所は守ってあげたいと自ら寮に引っ越し、料理や寮祭をしたり庭に花を植えたりと入居者募集に奮闘してました。
苅谷の修羅場キスを見てからモヤモヤする松原は寮で一緒に過ごすうちに苅谷への恋愛感情に気づくけど、過去にゲイで心を傷めてる苅谷の事を考えると告白も出来なくて悩みました。
同じ寮の1人は2人は同性同士だけど両想いなのでは?と察するけどゲイとノンケの恋愛の難しさもあるけど後悔はしないようにとアドバイス。
苅谷にやっと告白したけど断られ、想いを閉じ込めようと敢えて平常心ですごそうとする2人。
苅谷が海外赴任でいなくなるまでの間にLBGTの事を自分なりに調べて悩んで考えた松原。
自分の為に寮を守ろうとしてくれてた苅谷が好き以上に愛しく思い、今度は自分が頑張って守ってあげたいし傍にいたいからと出した結論は苅谷が有り得ないと思ってた答えで断る理由なんてなかったですね。
苅谷以上に好きになる人は今後いないと言い切った松原は陰キャとは思えない程カッコ良かったです。
両想いになって海外赴任した苅谷は松原に冷静に考える時間を取りました。
帰国して不安だった苅谷だけど松原は仕事でも男としても少し成長していて想いは変わらないし、一緒に住もうと提案し、まるでプロポーズのようでした。
松原は親にも同性の恋人の事を話していて、息子が幸せならいい、紹介して欲しいと言って一応理解してくれてるみたいで第二の故郷が出来、ゲイも幸せになれると確信をくれた松原に感無量の苅谷でした。
ストーリーにリアル感があって泣けてくるし、唯々幸せになって欲しいと思いました。
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