このレビューはネタバレを含みます▼
落語シリーズの「金魚すくい」(貧乏神より)、「デラシネの花」(寿限無より)、「小向家の事情」、「デラシネの花」の描き下ろし。それぞれおもしろかったです。ダメ男が2人出てきて、あ~~もうっ!てイライラします。特に「金魚すくい」の与平はぐうたらすぎ、人間じゃなく猫に生まれてきたらよかったのに。貧乏神が働き出すくらいのほっとけないダメ男、でもかわいげもあって、2匹の金魚が少なくなっていくのが切ないです。「デラシネの花」は名前のおかげかいつまでも年を取らない男、デラシネはフランス語で根なし草の意。人と深く関わることのできない男はホストになって刹那的な生き方をするようになります。ここでも現れる貧乏神改め〇神、ダメンズに縁があるようです。「小向家の事情」は現代のゲイカップルの家庭のお話。シリアスですがラストがいいです。おあとがよろしいようで。それぞれ物寂しい中に幸福感も漂う物語でした。これ好きです。
2013年10月 総170ページ エロは少ない。修正はトーン。