小説のよさ、漫画のよさ、どちらも。





2022年7月7日
コロナ禍で距離が近づいたバー店主の響と客の観月。響には年上の恋人・征司がいて、うまくいっているのですが、観月との距離が近づく一方で征司とは少しずつ距離ができていって…という三角関係のお話。
しっとり静かな大人の恋愛が、パンデミックを絡めながら、丁寧に描かれています。
私は一穂先生のファンなのですが、小説の良さ(物語の完成度や起承転結)もマンガの良さ(絵で表現する力、一コマの説得力)もどちらも感じられ、満足感がありました。
この3年は懐かしいと振り返るにはまだ早いくらいなのに、こうして一つの物語として読むと、『あ、そうそう、こうだったよね』と思うところもあり、既に少し忘れかけていることもありました。
それだけ日々変わる状況と発信される最新情報に目を凝らし、その都度対応するのに精一杯で、改めて振り返る機会がなかったんですよね。
まだ完全にアフターコロナになったわけではないですが、得体の知れない敵に翻弄され、多くの人が見えない不安に取り憑かれていた時期は過ぎました。
過ぎ去ってみれば一瞬ともいえるあの混沌期。
物語の焦点がコロナなわけではなく、ブルーモーメントという言葉自体は別のことで登場するのですが、ブルーな時間はあっという間に過ぎるよ、という一穂先生の願いのようなものをタイトルに感じました。
このコロナ禍を共に過ごしてきた全世界の人たちにそっと寄り添ってくれるような優しいお話でした。
総220ページ、最後に少しアフターストーリーの小説もあり、可愛く、幸せな気持ちになりました。良い余韻が残る物語です。ストーリー重視の方におすすめです。
しっとり静かな大人の恋愛が、パンデミックを絡めながら、丁寧に描かれています。
私は一穂先生のファンなのですが、小説の良さ(物語の完成度や起承転結)もマンガの良さ(絵で表現する力、一コマの説得力)もどちらも感じられ、満足感がありました。
この3年は懐かしいと振り返るにはまだ早いくらいなのに、こうして一つの物語として読むと、『あ、そうそう、こうだったよね』と思うところもあり、既に少し忘れかけていることもありました。
それだけ日々変わる状況と発信される最新情報に目を凝らし、その都度対応するのに精一杯で、改めて振り返る機会がなかったんですよね。
まだ完全にアフターコロナになったわけではないですが、得体の知れない敵に翻弄され、多くの人が見えない不安に取り憑かれていた時期は過ぎました。
過ぎ去ってみれば一瞬ともいえるあの混沌期。
物語の焦点がコロナなわけではなく、ブルーモーメントという言葉自体は別のことで登場するのですが、ブルーな時間はあっという間に過ぎるよ、という一穂先生の願いのようなものをタイトルに感じました。
このコロナ禍を共に過ごしてきた全世界の人たちにそっと寄り添ってくれるような優しいお話でした。
総220ページ、最後に少しアフターストーリーの小説もあり、可愛く、幸せな気持ちになりました。良い余韻が残る物語です。ストーリー重視の方におすすめです。

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