このレビューはネタバレを含みます▼
●主な登場人物4人、愛でいっぱいです。ドラマティックで優しいお話。作者さん買い、単行本化待ってました!(絵がすごく好きなのですが表紙は気合い(?)入りすぎてて…単話の扉絵や中の絵の方が好きかな。えっちも色っぽい!)
●自ら番を解消したことで、もう他の誰とも番えない身体の仁。瑛士は母親がかけた暗示のせいでΩのフェロモンを感じられないんだけど、一目惚れに近かったのかな。本能…ですよね。二人とも、もう自分は独りでいいと思っていたのに、お互いに惹かれていく。
●瑛士の体質は“運命の番”(またはそれ相応のΩ?)と番えば治るらしいけど、仁はもう番うことができない。だから瑛士を自分に縛り付けてはいけないと思い、突き放す。それに対して瑛士が、ただ闇雲に押すんじゃなくて、一旦引いて咀嚼して(母親のことも理解して)戻ってきたのが嬉しかったな。
●番にもなれないし、瑛士の体質も治らないけど、それでも一緒にいようって誓う二人が尊い。「意味はないけどうなじを噛む」っていう行為、すごく好きです。
●仁の元番ジノ、調査網がすごい(笑)彼も仁を愛してるんだなぁ…仁に幸せになってほしいと(本当は自分が幸せにしたいと)思ってる。それが分かるからなお、スピンオフ(下巻に収録の『〜ロンリネス』)が良かった。
●『〜ロンリネス』は、ジノのそばでじっと耐えていたルカの想いが通じるお話。ルカが終わらせようと思ってしたキスが、ジノにとっては始まりだった…っていうのが素敵。仁のこと、吹っ切れたかな。
●上巻の描き下ろしを見ると、瑛士はわんこ、仁はにゃんこのイメージ?ぴったり!ジノとルカは(これは私の勝手な妄想ですが)美しい狼のつがいのようでした。瑛士とジノの一人称が「僕」なのも好き。良かったです。