真夜中の寮に君臨せし者
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真夜中の寮に君臨せし者

夏乃穂足/円陣闇丸

作品紹介通りのスタートからの実は...!

ネタバレ
2022年7月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ いい意味でいろいろ裏切られました。

才色兼備で裕福で...と全てに恵まれている瑛都は、それゆえに友達もなく、進むべき進路に迷い、両親の仲に不安になる普通の子。
そんな彼が高校でできた友達を大事にし、演劇コースで切磋琢磨しながら、ルームメイトの志季との恋に目覚めるのですが、びっくりするほど心が綺麗。
私のツンデレ予想を大きく外し、自分の気持ちを素直に表現できる(顔に出ちゃうとも言う...w)外見も中身も美しい瑛都が大好きです。

一方の志季はしばらく不穏な雰囲気を出していますが、瑛都を守るための裏工作がすごい。
完璧なタイミングで助けに来たり...とこのあたりは理由があるのですが、こちらも魔王どころか口調と行動のギャップに萌え萌えでした。

そしてそして、2度の森の家のシーンはともに素敵でした。
志季の優しさ溢れるロマンチックな冬休み、想いを確かめ合う卒業公演の後。
1ダースいっちゃっとるやないかーッ!

内容は300ページ以上もあるだけに盛りだくさん。
ただの高校生の青春ものではなく、ミステリーが絡んできて、友達や自分が巻き込まれながら友達との絆が深まり志季との恋が動きます。
犯人はやっぱりなという感じでしたが、卑劣さにグーパンチもんやで!

はぁ、これで万事ハッピーエンド...と思いきやちょっと待って、驚きの飛び道具。

先生はとにかく文章力が高く、表現力に溢れた言葉の数々にいつも悶絶します。
両親、友達、先輩、教師、当て馬風味やイヤな奴ら...そして瑛都と志季。
それぞれのキャラクターが立っていて関係性も見ごたえ充分。
すでに興味津々のサブカプが少なくとも2組...!
(2020年7月/336p)
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