蟷螂の檻
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蟷螂の檻

彩景でりこ

愛に似て非なるもの…

ネタバレ
2022年7月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 愛するが故、としても、心も身体も痛々しい…これを愛とよんでいいものか。しばらく考えてしまいました。でも、最後に典彦が育郎の笑顔をみて赦し、育郎も典彦を赦した。こういうカタチもあるのですね。わたしが勝手に心を痛めていても、彼らは幸せなのでしょうからそれでいっか…と思いました。この二人がひっそりと生きていてくれればいいと願いますが、半年ほどで育郎が、それを追うように典彦が…と想像してしまいます。それもまたこの二人には最高の愛のカタチなのでしょう。こんな風に相手も自分も痛めつけ生と死を与え合う。怖いけれど、不思議と興味はあるものです…自分では到底なし得ないものですから。
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