妖精のおしり
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妖精のおしり

日野雄飛

才能を与える?妖精と、愛された作家の葛藤

ネタバレ
2022年7月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルはそれで良いのか?と思いましたが一周回って外国文学の直訳っぽくもあるかなと感じるようになりました。煮詰まって外国に旅行に出た作家の前に現れた魅力的な男性。あっさり愛し合って作品のインスピレーションも浮かんで…というところからのまさかの相手はガッツリ妖精!しかも妖精主体の物語ではなく、あくまで妖精に愛され作家としての成功を掴んでしまった主人公の葛藤のお話でした…いい意味で思ってたのと違った…。作家としての矜持、妖精に才能を与えられてしまうこと、彼を愛する気持ちに揺れる壮に共感しました。真面目なテーマだけど重くなりすぎず読みやすかったです。濡れ場での官能小説のような言葉選びや比喩表現も最初は笑って読んでましたがだんだんしっくりきたので不思議です。素敵なお話でした。でもいつの日かまた、キランは壮を見送り弔うんだなぁ…
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