真綿の檻【マイクロ】
」のレビュー

真綿の檻【マイクロ】

尾崎衣良

昔の夫婦の名残りのようなものあるある😔

ネタバレ
2022年7月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ この物語で違うのは私の場合、物心ついた時には家の事を“させられていた”、という点。幼少には両親は離婚してたのでこの物語でいう父母は祖父母だったという点。そして、兄と妹に挟まれた私という点。
当たり前のように何でも与えられ、甘やかされてた兄。祖父母が嫌いだから仕事を理由に帰って来ない父。家事も畑も手伝わされる私と妹。
物心つく前からだから、何がおかしいかなんて分からなかったし、女がやるものと言われて来たから疑問も持たなかった。
機械だった私と違って、感性豊かな妹は早くからその環境の可笑しさに気付いて早々グレたけど、私は何も抵抗出来なかった、意思が無かったので。

だから余計真面目そうに見える私と比べられて、妹はますます素行不良になったわけで、高校生で家を飛び出しました。
勿論、世間体を気にする教職だった祖父母に縁を切られ、妹の管理を怠った責任として私も縁を切られました。
正直心が死んでたから当時何にも思わなかったけど、今思えばめっちゃ腹立つ話だなこれ。

父は私達を責め、母方に親権を渡すし、母は母で苗字だけ貸すという事で引き受けたらしく、母方の両親と養子縁組させた上に、住む家を見つけてくれた後、私と妹を残して去っていった。
ほんと両親にも祖父母にも恵まれない人生だった。
嫌いになって当然の人生だった。

けど、人は誰に出会うかでどうとでも変われるって事を理解した。変わる事に遅いなんてないことも。

それが結婚であったり、会社であったり、まぁ色々あります。この漫画の主軸の女性のように、私もいつか両親(私の場合祖父母も含まれる)を許せる時がくればいいな、と思いつつ、自分の幸せの為に自分自身を生きていこうと決意新たにしました。

この漫画を見つけ鬱々しながらも読んだのは、そういった過去の自分を嘆くのは辞めて、決別して、捨てようと思ったから。見つめ直しも出来たし、今なら間違ってるって、言えそうだと思います。
改めるいい機会になりました。

まぁでも、家事一切を教えてくれた事には大人になって助かるというこの一点のみほんと感謝です。
料理掃除家事出来ない男がまだまだ多い世の中ですからね、困ったもんですけど(笑)

しかし、そういう男を見つけてしまうのはもう身体に流れる血とか遺伝子的なもんですかねこれ。
二の舞にならないよう仲良く頑張ります(笑)
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