禅に入っては。
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禅に入っては。

安堂ろめだ

詩人キャラを描くのは難しいよね

ネタバレ
2022年7月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 223ページ。
ぼんやりと生きていたフリーターすばるが、詩人の大東と風俗業のあすかとの出会いによって、自分の進む道を見付ける話。描き下ろしでのエロがいっそ邪魔な感じがする、じんわり系。ペットごっこ(エロくない)が、ちょっと楽しそうで良かったです。
大東が詩人設定なのが活かされていなかったのが不満。作中に詩の引用をしたかったから詩人にしたのかもしれませんが、大東自身の作品が出てこないだけでなく、詩人としての感性が垣間見えるような描写もなく。
終盤の大東からすばるへの手紙、あれをボカしたのは良くなかった。詩人の綴ったせいいっぱいの上手く言葉にできない言葉をきちんと見せてこそ、二人の気持ちが実感をもって迫るのではないでしょうか。内容をセリフで説明したのも不粋。
おまけの星3つ。

あすかくんが良い子(でも頑張る方向は間違ってる気がする)だったので幸せになったのは良かったんですが、取って付けた感があったのは微妙。
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