2055
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2055

三月えみ

自分の尺度以上は想像する

ネタバレ
2022年7月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 印象に残ったのは、冒頭の「骨壷」だ。近未来設定の中で浮いているように感じた。作家さんが直に目にしたものだろうか、と想像した。
本作がそうであるというわけではないが、自分の内面を投影した作品になることもあるだろう。よって、作家の書く世界に是非は持ち込まないように心掛けている。

この作品を読むことで、恋人を失った人をアンドロイドに任せず気に掛ける大切さを感じ取った人がいるかもしれない、1本の電話が繋ぎ止めるきっかけになるかもしれないと思い当たる人がいるかもしれない、と想像する。
自分の固定観念に縛られそうなときほど、視点を変えて何かを得たいと思う私は貪欲なのだろう。
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