ただ、ただ二人が愛おしい





2022年7月24日
もの凄く、現実味のある青春物語。BLの要素はどの程度一般的かわからないけど、二人が色んなことを乗り越えようとして、心の底から血をドバドバ流してもがき苦しむ様は読んでる人たちの共感を得たと思う。特に、中原くんの叫びは涙なしでは読めなかった。日本のマンガの優れたところは、誰もが抱える葛藤を恥ずかしがらず曝け出して、読者の追体験として昇華させてみせるところ。二人を不器用とは思わない。生身の人間なんて葛藤だらけで、生きてくことに疲れてヘトヘトになってもまだ色んなことに執着して、みっともないことこの上ないけど、これが現実かな。そんな二人を愛おしいと思う。優れた短編小説を読んだような読後感に浸れた。

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