moon river
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moon river

本郷地下

申し訳ない、合わなかった。

ネタバレ
2022年7月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 196ページ。
BL未満の絆もの、ではあるけれど、メンタル的にはBL寄りの気配を感じる。吸血鬼と人間、時の流れの違う二人のどうしても避けられない切ない運命とかすかにつながる望み……という話。絵はきれいで見やすい。
雰囲気はあると思うけれど、雰囲気を雰囲気として享受できませんでした。
主人公が子供の頃アメリカで育ってる設定とクレアが黒髪で描かれていたことから、主人公(子供時代から髪色薄い描写)がハーフとかの設定なんだろか……と設定の奥行きを期待したのがまずいけなかった。そこに意味は無かった。
吸血鬼が人の世で生きていくための薬の設定も、あの規模の製薬が出来るのは、ある程度吸血鬼の数が多いもしくは人間の協力者がいるということと理解していたので、たかが主人公一人がクレアと関わったり眷属になろうとして失敗していたところで大した問題にならないだろ、と思ってしまって、別離の悲しみに入りきれず。
全体的に深掘りがない中、旅行のシーンで主人公が「僕の何が幸せか勝手に決めるな」って言う思考回路について行けなかったし、その流れで黙って姿を消すクレアの思考回路も理解できなかったし……銀河鉄道の夜と重ねたかったんだろうけどさ……そこはきちんと対話をしてよ、ってもうモヤモヤ。なんかこう、キャラクターが男っぽくない。
ラストシーンでクレアがブロンドになっているのも唐突感があって、最後の最後まで消化不良でした。
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