このレビューはネタバレを含みます▼
事故で両親を亡くしたα少年を夫を亡くしたΩ刑事が引き取り、家族として暮らす中で恋心が育っていくというお話。
幼い頃からたった一人を思い続ける少年が、そのまま想いを一切ブレさせずにスパダリに成長するっていう設定がすごく好きなんです。
どんなに周りからモテモテだろうと、一途に年上Ωを追い求める愁人のいじらしさが良かった。
亡くした夫を忘れなくてもいいと無花果さんの気持ちを思い遣るところも泣けました。
ただ、出会った小学生の頃から社会人になるまでを一冊に収めているので駆け足なのは否めなかったかなぁ。
一つ一つのエピソードをもっとじっくり読めたら良かった。感情移入し切る前にどんどん進んでしまうので、ちょっと物足りなさを感じてしまいました。
最後も突然のヒートでなし崩しではなく、しっかり気持ちを話して通じあってから結ばれて欲しかったな。お互い惹かれあっているのはわかるけども。
傷を負った二人が幸せになり、いい出会いだったんだなと感じられて読後感は良かったです。