あいのかさぶた
」のレビュー

あいのかさぶた

綴屋めぐる

互いの存在こそが生きる糧

ネタバレ
2022年7月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵があまり好みではなかったので、購入を躊躇していたのですが、読了後、読んで良かった、買って良かった、そう思える作品です。男女間の恋愛にはない、より深くより強い繋がりが伝わってくる2人です。どんな時でも側にいてくれる、そんな存在がいることで、たとえ逆境にあっても生きていける…正に「会うべく人に出会えることを、人は仕合わせとよびます」を体現しているよう。ただ、あれ程酷い家庭環境に置かれた子供の尚人を救ったのが、先生や行政、そして母親などの周囲の大人ではなく、同じく子供の創だったというのがリアルで、あまりにやるせない。創の家族が創と同じように尚人に手を差し伸べたのがせめてもの救い。
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