くりかえしあいのおと
」のレビュー

くりかえしあいのおと

野白ぐり

良いところと悪いところ

ネタバレ
2022年8月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初買い作家さんです。
有能だけれど人付き合いが得意ではない受けが療養のために田舎に帰り、心を癒やしてくれる攻めと出会う話です。年下攻めですね。線画の強弱が独特ですが可愛らしい絵柄だと思います。
心が荒んでて少し威圧的な態度で人に接してしまう受けを攻めが上手くフォローしてまわって、結果的に受けも攻めを意識したり、周囲の人間との接し方がだんだん変わっていくのが良かったです。
攻めは人懐っこいというかわりとぐいぐい受けに話しかけたり、勝手に家に来ますが、本当は寂しがり屋だけど上手く人にそれを伝えられないタイプの受けには良い感じでした。
エロの方は本編にも描き下ろしにもありますので、気になる方は是非。挿入まであります。

気になったところ
・ちょっとキスするタイミングが急な感じしました。
・終盤、受けが東京に帰ると知った時の攻めの態度について。
攻めも相手は一時的に帰省しただけでいつかは元に戻ることはわかっていますが、プロの音楽家(現在は指揮専門)に恋してしまった以上、相手が職業柄遠征が避けられないことは予測できなかったのかな〜と。上京に関しても自分にできることはないからという理由だけで遠慮していましたが、理由は都会への就職は厳しいとか経済的に1人暮らしする金がないとかではなく、家族に対しての遠慮からだし。彼の家族に関しては少々複雑な事情があるものの、関係は良好ですし、健康で人付き合いも得意で、もう未成年ではないのならやりたいこといくらでもやれるのでは……?と違和感が拭えませんでした。
なんだろう。ここはなんだか切ない場面を無理やり作ってる感。身体がボロボロだったはずの受けは数週間で身体の調子を取り戻して心身共に健康的になるので、途中から攻めの話に変わってるんですよね。
受けの事情って心身の健康だけじゃなくて、仕事の問題も結構切実で、ピアノが弾けなくて不安になってるのに、攻めのが可哀想みたいな話の流れになってるのがマイナスです。
自分のこと応援してくれてた相手が仕事復帰匂わせたら急に態度変えられるのこわくないかな。
キャラは攻め受け両方とも好きなのでここが残念でした。
・紙版は8/1で電子が8/5という微妙な発売遅れが気になります……。
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